カナダ・モントリオール出身のルーシーロバート先生のレッスンを受ける機会がありました。受講生の皆さんは現役バリバリの若い学生さんたちでしたが、中々無い機会なのでソロは来年演奏予定のルーマニア民族舞曲を、室内楽はヴァイオリンとヴィオラの為の二重奏inGを持っていきました。アメリカ圏の先生に教わるのは初めてでした。ルーシー先生は私と同じ小柄ですがとても小柄な女性が演奏しているとは思えないほどパワフルかつ女性らしい艶のある美しい音色でした。何より海外の方特有のフレンドリーでオープンな雰囲気と、音楽は共通言語でしょう、言葉は通じなくても感情は音楽で伝えられるのよ、とそこからレッスンがスタートしました。テクニック的な事で言うと、私は時より腑抜けた音色になりがちで、親指のくの字に曲げた所を弓の毛に当てるようアドバイスを貰い(ヴァイオリンを弾く方にしか伝わらないですね)試して驚きました、凄くエネルギーの宿った音色になるのです。あと私はとても重音が苦手です。それもすぐに見破られました(汗)。重音に向かう一つ前の音の時点で次に出てくる重音の苦手意識から弓の毛が弦から離れているそうです。弓の毛が弦の下にいるくらいのイメージで密着させ逃げないで、それは指の関節の使い方で解決するわと。他にも目から鱗なテクニックのアドバイスと、何よりもイマジネーション、エモーション、コントラスト、音楽て楽しい、素晴らしい、と笑顔で仰ってました。
ありがたい事に修了演奏会に室内楽で抜擢され演奏させて頂きました。
またルーシー先生と先生の旦那様であるピアニストのコーエンさんとのデュオ演奏も本当に素敵でした。チャーミングでパワフルなルーシー先生を穏やかに優しい音色で支えるコーエンさんお二人のデュオは息もぴったりで聴いていてとても温かい気持ちになりました。
2023年最後にとても素晴らしい出会いとなりました。
このまま年の瀬の文章とさせていただきます。
今年はずっとヴァイオリンと共に歩んで来て殆ど経験した事が無かった、音楽やヴァイオリンに気持ちがあまり向かない期間がありました。これだけ長く続けていればそんな時もありますね。私にとっては仕事といえど"好きな事""やりたい事"なので気持ちがそこに無いのは非常事態でした。ある方から今日思えなかった事が明後日には違った風に思えるようになる事もあるのと言われ、前向きな事以外は今日の気持ちで決めない様にしようと、そんな風に過ごしていました。ありがたい事に下半期は演奏の機会が沢山ありそれにも助けて貰いながら一年の締めくくりにはルーシー先生との出会い、また5年ぶりに暗譜演奏に挑戦しなんとか弾き切れた事、来年は音楽とヴァイオリンがニコニコしながらこっちを見ているような、もう一度ここからスタートしてみようと、とても清々しい気持ちになりました。
今年ご共演下さった音楽家の皆様、ご指導下さった先生、先輩方、私と音楽の時間を過ごしてくれた可愛い生徒の皆さん、本当にありがとうございました。
また来年!